庭の草むしりをしたら45Lのゴミ袋がほぼ一杯に、草むしり開始の時期が年々早くなっているような気がする北区上十条しかのいえです。
3/11(木)、しかのいえ本の茶屋は13:00から16:00までオープン。
私が出張でいないため、店番はカエ、、いやいやカミさん一人です。
お客様の人数によっては、ご不便をおかけする点もあるかと存じますが、何卒ご寛恕くださいませ。
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『海をあげる』という本を昨日、読み終えました。
第14回「わたくし、つまりNobody賞」の受賞作で、ご縁のある方から頂戴した本です。
性的な暴力の被害者の女性、若年出産をした女性、米軍基地との望まざる共存を強いられる沖縄の人々、身近な存在の悪意なき無関心や裏切りによって決定的に損なわれる人の心……
著者の上間陽子さんが懸命に受け取り、本の中に放ったいくつもの声が伝えてくれるそうした事柄に対して、私は一体どうしたらいいのか?
無条件に味方になることは、できません。
そういう素朴な立ち位置が、この世界の中にはないことを、上間さんの文章は見事に描き切っています。
当の被害者自身にも、それは許されません。
もがき苦しむ自分の、味方になることができないのです。
読者は、文字通り誰もが、グロテスクな暴力の片棒を否応なく担いでいることを告げ知らされ、宙ぶらりんの状態で揺れ続け問い続けることそれ自体を、心に注ぎ込まれます。
それでも、どうしても守りたい優しいものがあり、愛おしいものがあり、美しいものがある。
上間さんは、そういうものの存在もありありと描いている。
しかし私には、それが唯一の救いなのか、それとも地獄を完成させるための要石なのかが判然としないのです。
良いも悪いもない、この本は、好むと好まざるとに関わらずある時著者自身が放り込まれ、きっと今この時にも続いている激しい揺れそのものです。
素晴らしい本です。
近日中に、しかのいえ本の茶屋にも置きますので、ぜひお手に取ってみてくださいね。
ではでは、また。
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