明け方、部屋の窓を開けて二度寝したら冷気が気持ちよくて寝過ごしました、北区上十条しかのいえです。
本日8/26(水)、しかのいえ本の茶屋は13:00から16:00の店開きです。
Zoom勝手口はスタッフ手薄につき今日は開けませんが、タイミングによっては何とかいけるかもしれません。
ご希望の方はメッセンジャーで一声かけてみてください。
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久しぶりに村上春樹さんの短編集を(文庫ではなく)単行本で購入し、読んでいます。
作品集のタイトル「一人称単数」は、初期の村上さんの文体でもあります。
「僕」によるモノローグの世界から村上さんは出発しました。
この作家の稀有な点は、「僕」から「私たち」への移り行きを、「僕」に閉じ込められ続けることを通じて、ついに果たしたところだと私は思っています。
村上作品にあっては、閉鎖は孤絶だけをもたらさない。
むしろ閉鎖による孤絶は、結びつきが生まれるための絶対の条件でもある。
特に、『ねじまき鳥クロニクル』以降の村上さんの長編作品では、閉鎖と結びつきが併存しながら目まぐるしく交差する世界が描かれています。
大切なのは、切断と接続がメビウスの帯のように入れ替わるこの劇が、ただの創作手法であることを超えて、私たちの生の在り方にきちんと根をもっているということ。
あくまでも私見ですが、そう確信しています。
これまでの刊行のサイクルを考えると、次の長編がおそらくそろそろ出るのでしょう。
一人称単数形式という、自分の原点そのものがついに創作の素材となるほどに、村上さんの自己俯瞰の高度は上がった。
70歳を超えた村上さんの中で熟しているものが、どんな作品世界を生み出すことになるのか、今から楽しみです。
ではでは、また。
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鹿野 青介さんの投稿 2020年8月25日火曜日
「暮らし」から「つながり」と「仕事」を作る実験室
暮らすLaboratory しかのいえ
公式サイト https://shikanoie.com