99対1

本の茶屋

今日も夜が明けましたね、北区上十条しかのいえです。

しかのいえ本の茶屋、3/6(日)は店主出張につき臨時休、ストレッチのみ営業いたします。

また来週のお越しを楽しみにお待ちしています。

しかのいえ本の茶屋のご案内・アクセス

写真は、北区在住で、しかのいえにもよく遊びにきてくれる、ともよさんのご著書『わたし中学生から統合失調症やってます。』。

タイトル通り、ともよさんが14歳の時からつき合い始め、今も「共生」を続けている「統合失調症」の経験と日常を描いたコミックエッセイです。

ともよさんの治療とケアを行い、本書の解説も担当している精神科医の成重竜一郎先生によれば、統合失調症とは「脳が感じすぎてしまう病気」です。

感じすぎる?

何が、どんなふうに「すぎる」のでしょうか?

どうやらこれは、私たちの生活や行動に「役立つ範囲を超えて」という意味のようです。

100人中99人の脳が、生活や行動を邪魔させないために自動的に捨てている、様々な知覚情報や湧き起こる思考や情動の流れを、どういうわけか捨てない脳がある。

統合失調症は、この100人中1人だけが授かる脳が引き起こす病気です。

ともよさんの本の中で描かれているのは、この「99対1」という露骨なほどに偏った勢力図の中で、好むと好まざるとに関わらず「1」を受け持った人の、偽らざる生活実感であり、涙であり、勇気ある闘いです。

「こういう本が無くて済む世界がやってくることを自分は望んでいる」

すみません、正確な言葉を思い出せないのですが、この本を持ってしかのいえにいらっしゃった時、ともよさんはこんなふうにおっしゃいました。

こういう本が無くて済む世界。

それは、99と1を隔てる壁が取り払われた世界でしょう。

多様な100が笑い合える世界でしょう。

壁は、まだまだあまりに厚く、あまりに巨大です。

みなさま、ぜひこの本をお読みください。

こういう本を無くすために?

いや、本は無くさなくていい、無くすべきは悲しみです。

「暮らし」から「つながり」と「仕事」を作る実験室
暮らすLaboratory しかのいえ
公式サイト https://shikanoie.com

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