明るくなる時間がだんだん遅くなってきました、丸くて白い月が今朝はとても綺麗でしたよ、朝焼けも、北区上十条しかのいえです。
本日9/4(金)、しかのいえ本の茶屋の戸は13:00から16:00まで開いています。
ライブ配信「しかのいえ3分間ラヂオ」は15:00ごろの予定。
今日こそは、ちゃんとカウントダウンタイマーをセットしてみせます。
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昨日のライブ配信の最後に触れた『すいません、ほぼ日の経営。』という本の話を少しだけ。
「ほぼ日刊イトイ新聞」から生まれたメガヒット商品「ほぼ日手帳」。
下に引くのは、本の中で糸井重里さんがその「ほぼ日手帳」について語っている事柄です。
==引用1==
ときどき「手帳ミーティング」を開いて、手帳を使っている人たちが集まって、自分の手帳を見せながら「こういうふうに使っている」と言い合うんです。オフ会のようなものですが、みんながすぐに仲良くなります。
なぜかと考えたら、お互いに敬意があるからです。おそらく、一人ひとりが誰かに大事にされているという敬意みたいなものが持てているんじゃないでしょうか。
いまは「あなたはなにもしなくてもいい」という商品ばかりが売れる時代です。でも手帳は、あなたがなにかをしなければいけない商品です。使いながら完成させていくものです。ぼくらは、いわば未完成品を売っているわけで、それを完成品にするのは使う人です。
別の言い方をすると、それは使う人を信頼してゆだねている。そういったことが敬意につながっているのではないでしょうか。
(『すいません、ほぼ日の経営。』P39~40)
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さて、次に引くのは『しずけさとユーモアを』という本の中で、センジュ出版代表の吉満明子さんが、生まれてきてくれた息子さんとの関りにそっと折り重ねるようにして目指す本づくりについて語っている文章です。
==引用2==
人をバカにしない本づくりとは何だろう。
人を信じる本づくりとは何だろう。
私は何を作っているんだろうと手を止めた3.11の後の私は、これから、この子を抱えて何を作るんだろう。この子に見せる背中は、彼に何を伝えるんだろう。
この子をバカにせず、自分をバカにせず、人をバカにせず、人が持つ本を読み解く力を信じて作る本とは、一体どんな本なんだろう。
本を、本の未来を、そして自分自身をないがしろにしない。
この子のこれからの笑顔を守るために、まず自分から始めるとしたら、何ができるんだろう。
そんなことをずっと考えながら、息子をゆらゆら、抱っこしていた。首がすわって縦に抱っこができるようになると、顔が近づいて、いつも額やほっぺにキスをした。
私もみんなも、あなたのことを愛しているということを、ずっとずっと伝える。あなたは大切。大切な大切な人、と何度も伝える。本も、そうだろうか。……
(『しずけさとユーモアを』P89・90)
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私は、上の2つの文章の、「手帳(を使う)」と「本(を読む)」という部分をそっくり入れ替えて読んでも何ら差し支えないように感じました。
巷には「あなたはなにもしなくてもいい」とばかりに、まるで受験勉強の参考書のように要点部分が効果的に強調された本が溢れています。
でも、この時流にあってセンジュさんの本はまるで違います。
決して要点部分のフォントが大きくなっていたり太ゴチックになっていたりしません。
どのページのどの言葉にフォーカスして線を引くのか、どこに付箋を立てるのか、そういうことはすべて、読者に「ゆだね」られています。
センジュ出版さんの本は店頭に並んでいる段階では「未完成品」なのかもしれません。
最終仕上げをするのは一人ひとりの読者です。
それぞれの読者が自分の心を使って「完成品」にするような本を編む。
あるいは、読者が心を動かして読めば読むほどその内容が熟していくような本を。
それがセンジュ出版さんの本づくりであり、その根底には読者への強い「信頼」と「敬意」が横たわっているのではないか。
先月末、センジュ出版さんは「読書てらこや。」という取り組みを始めていて、私も参加してきたのですが、上の「手帳ミーティング」に関する文を読みながら、その時の様子がしきりに思い出されました。
ほぼ日さんとセンジュさん、規模も事業内容も違う2つの会社には本質的にリンクする部分があると強く感じています。
ううむ……
これは3分では無理だったわ。
すいません、長くなりました。
このあたりで切り上げます。
ではでは、また。
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ほぼ日さんとセンジュさんの共通項に関連する過去の投稿を思いだしました。
これもまた長いですが、よろしければどうぞ。
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鹿野 青介さんの投稿 2020年9月3日木曜日
「暮らし」から「つながり」と「仕事」を作る実験室
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