鹿でもできるベーゴマのヒモの巻き方~「女巻き」編

本の茶屋

「女巻き」ができない!

赤羽ベーゴマクラブ(ABC)の平井さんから昨年手ほどきを受けて、
ベーゴマを回せるようになりました。

人間いくつになっても、
新しく何かができるようになるのって嬉しいものです。

平井さん、ありがとうございます!

モスグリーンの分厚いキャンバス地を
なだらかなすり鉢状に張った床(とこ)の上で、
投げこんだ鋳鉄の小さな礫が唸りを上げて回ってくれるのを
見るだけでも十分楽しく、
稀には先輩方のベーゴマを、
自分のベーゴマが床から弾き出すこともあって、
そんな時はほんとに、

(むふふ)

という感じです。

……すみません、ウソをつきました。

人目もはばからず勝ちどき&ガッツポーズです。

ただ私の場合、
初心者が教えてもらう
ベーゴマのヒモの巻き方「女巻き」がどうしても上手くできず、
「男巻き」と呼ばれるもう一つの巻き方を使って、
もっぱら回していたのです。

ところがこの男巻き、
固く巻けて良い感じではあるものの、
ヒモの先が切れやすく、
結果、ヒモがどんどん短くなって
すぐに使えなくなってしまうのが玉に瑕でした。

男巻きでは、ヒモの先端が切れやすい。

そこで、一念発起して、
女巻きを自分なりに練習し直し、
最近になってようやく、

「これならOKだろう!」

というところまで漕ぎつけました。

特に誰かから頼まれたわけでもないのですが、
以下、女巻きの巻き方の動作を分解しつつ解説してみます。

え?

なんでそんなことをするのかって?

そりゃあ……

巻けるようになって、
めちゃめちゃ嬉しいからですYoっ!

……すみません、はしゃぎすぎました。

女巻きが上手くできない!
とお悩みの方がいらっしゃいましたら、
ご一読をいただければ幸いです。

「女巻き」序盤の難関 「最初のギュウギュウ」はどうすればできるのか?

女巻きの具体的な解説に入る前に、
一番注目してほしいポイントについて書いておきます。

ここを意識しながら練習すると、
きっと上達は早くなるはずです。

さて、ちょうど昨年の私がそうだったように、
ベーゴマとヒモを「はい」と手渡された初心者が、

(う……)

こんな感じで途方に暮れてしまうのはなぜでしょう?

きっとそれは、真ん中に心棒のあるコマのような、
ヒモを巻き付けるための「とっかかり」が、
どこにも見当たらないからではないでしょうか?

取り付く島がないと言いますか、
一体何を、どこから、どう始めたらいいものやら、
まるで見当がつかないわけです。

けれども、わけがわからないなりに、
いろいろ教えていただきながら何度もチャレンジしている内に、
段々とわかってきたことがありました。

それは、たとえ心棒のないベーゴマであっても、
円錐形の物体にヒモを巻き付けて回してやるためには、
やっぱり心棒の役目をしてくれるものが必要だということ。

そして、それこそが「最初のギュウギュウ」だということでした。

ABCの先輩たちは初心者に女巻きを教える時、

「最初のひと巻き、ふた巻きは、
 もう親の仇をやっつけるくらいのつもりでギュ~~ギュウ固く巻いて」

こんな風におっしゃいます。

「最初のギュウギュウ」とはこのことで、
それは心棒のないベーゴマに
心棒に代わるものを作ってやること。

そう考えていただいて、よろしいかと思います。

ところが、つるりとしたベーコマに、
この「ギュウギュウ」をしてやるのが、
とにかく難しいのです。

コマの持ち方、ヒモの押さえ方や引っ張り方、
どれも不慣れな手では最初は上手くいかないし、
焦って力めばコマは手の中で滑るし、
ヒモは外れるしでやっぱり、

(う……)

こんな心持ちになってしまう。

でも大丈夫、悪いことばかりではありません。

この「最初のギュウギュウ」を超えられればあとは簡単です。

それに、きちんとヒモを巻けさえすれば、
実はベーゴマはもう回ったも同然なのです。

ということで、以下の解説では、
この「最初のギュウギュウ」に
熱く熱くご注目いただきながらお読みください。

それでは、いってみます。

ベーゴマのヒモの巻き方「女巻き」編

【1】

「女巻き」では、2つの玉の間隔が狭い方のヒモの先端を使います

【2】

このベーゴマに巻いていきますね。
写真で見えている面をベーゴマの「表面」、反対側を「裏面」と呼ぶことにします。

【3】

裏面から見て八角形をしているベーゴマの、一つの辺が上にくるようにして持ちます。

使うのは左手の親指と中指。

持つ時は、指先でそっとつまむ感じで。

親指はベーゴマ裏面の写真の位置に。

中指は、上下にやや潰れた「C」の字を親指と作るようにして、
親指が押さえている場所のちょうど真裏のあたりを押さえます。

中指はベーゴマ表面の、真ん中の少し左寄りあたりを押さえる格好になります。

【4】

ヒモの先のフサフサをベーゴマの表面にあてて固定し、
写真のようにして裏面に回してきます。

まず左手の手首を返して、ベーゴマの表面を出します。

左手の中指の爪にヒモの先のフサフサをあて、
ベーゴマの表面を支えている指を中指から人差し指に入れ替えてやると、
ベーゴマを落とさずにフサフサを押さえられます。

そのまま左手の手首を返せば、ヒモは写真のように自然と裏面に回ってきます。

【5】

左手の人差し指でヒモのフサフサを押さえたり緩めたりしながら、
2つの玉を写真の位置にくるようにしてやります。

2つの玉が、ベーゴマ裏面の中央先端部分をまたぐような格好になるのが理想ですが、
この段階では多少左右にぶれていても全然OKです。

だいたいこの位置にきていることを確認したら次に進みます。

【6】

右手で持ったヒモをベーゴマの下から表面に回し、
回したヒモが表面の中央に当たるようにしてぐるりと上から返し、
右手を写真の位置に戻します。

この時、ベーゴマの表面を支えている左手の人差し指を
ヒモで巻いてしまわないように、
左手の人差し指の位置を上手に調整してください。

私の場合、この位置調整が最初は結構厄介だったのですが、
何度もやっているうちに慣れてきました。

「むずい!」と思っているあなた、大丈夫です、
必ずできるようになりますので、がんばってください。

【7】

いよいよ「最初のギュウギュウ」の第一段階「ギュウ その1」です。

下の玉を右手人差し指の先端で写真のように押さえつつ、
右手の残りの指でヒモをギュ~っと引きます。

玉の位置の微調整が必要なら、
右手人差し指の先端を使ってこの段階でやってみてください。

【8】

最初のギュウが緩まないように気をつけながら、
ヒモを下の玉に引っかけて上へと持っていきます。

【9】

ヒモを上の玉に引っかけて、もう一度下に戻します。
ヒモが緩まないように気をつけてくださいね。

【10】

「最初のギュウギュウ」の第二段階「ギュウ その2」です。

今度は上の玉を右手人差し指の先端で写真のように押さえつつ、
右手の残りの指でヒモをギュ~っと引きます。

ベーゴマ裏面中央の先端をまたいだ
2つの玉のまわりにヒモが固く巻きつき、
「心棒」の代りが出来上がります。

【11】

「心棒」代わりの玉のまわりにヒモをぐるぐると巻いていきます。

巻き方は反時計回りで。

もう「最初のギュウギュウ」ほど固く巻かなくても大丈夫、
緩まない程度に巻いていきましょう。

写真のように、ベーゴマの裏面を
ヒモの渦が覆い尽くしたら女巻きは完了!

やりました!おめでとうございます!

***

いかがでしたでしょうか?

ベーゴマの女巻き、上手くできましたでしょうか?

しかのいえ本の茶屋をオープンしている時、
天気が良ければ庭にベーゴマの床を出しています。

ご不明な点やご質問などがございましたら、
ベーゴマとヒモ持参で直接お越しいただくか、
フォームで鹿野までお問い合わせください。

読者諸賢からの忌憚ないご意見ご批判、
アドバイスもお待ちしております。

お付き合いをいただき、ありがとうございました。

ではでは、また。

「暮らし」から「つながり」と「仕事」を作る実験室
暮らすLaboratory しかのいえ
公式サイト https://shikanoie.com

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