アラフィフ男の公開キャリアカウンセリング02

本気の進路相談室

「名詞」を使わない自己紹介

2019年7月28日に
「しかのいえ」で開催した
「大人のための本気の進路相談室」。

イベントの
いくつかの基本的なルールの説明の後、
ファシリテーターの飛鳥井郁枝さんが
参加者全員に最初に課したワークは、
身分や役割などを示す
「名詞」を使わない自己紹介だった。

会場のお客様は
2人一組になってお互いに、
私は飛鳥井さんにこれをしたのだが、
たとえば……

「私は大学生です」
「私は会社の経営者です」
「私は専業主婦です」

こういう言い方はすべてNGで、
「~している」と
自己紹介をしなくてはいけない。

たとえば……

「私は大学でフランスバロック音楽の
装飾音の分類と
歴史的な変遷について研究しています」

「私は、設立した会社で、
プラスチックごみを
無害な有機物に変える微生物の商品化に、
仲間と一緒に取り組んでいます」

「私は主婦業の合間をぬって
イタリア語の法廷通訳人になるための
勉強を続けています」

と、やるわけだ。

中高年者向けの
キャリアカウンセリングでは、
通常、今後の取り組みや活動を
どうお金にしていくかを明確にする、
「マネタイズ」のための
やり取りもしていくそうなのだが、
飛鳥井さんの場合は、
クライエントが
自分自身の価値観に迫るワークの方を
重視しているとのこと。

「私は本当は何が好きなのか?」

「何をしていると幸せなのか?」

クライエントが、
この問いに納得のいく答えを
見いだせることを
大切にしていると言うのだ。

身分や役割を示すだけの
大ざっぱな「名詞」は、
自分に対しても他人に対しても、
個性や志向の細やかな襞を覆い隠す
レッテルやラベルになってしまう。

きっと「~をしている」という
入り口から自分に迫っていくと、
さまざまな「していること(行動)」
それぞれに対して抱いている
感情や思いが見えてきて、
肚の底から重視していることや
肯定的に捉えていることに、
つまりは自分の価値観に
気づきやすくなるのだろう。

お客様の側からすれば、
目の前のクライエントの
価値観だけでなく、
自分自身の価値観も
見えやすくなるに違いない。

お客様たちにした私の「自己紹介」は、
かいつまんで言うと
次のようものになった。

私は平成元年に大学の学部を卒業して
小さな出版社に就職し、
最初の約20年で営業の仕事をしてきた。

続く約10年、
私は出版の企画プロデュースの仕事をしてきた。

最初の20年は主に本を売る仕事、
その後の10年は
本作りのお手伝いだったのだ、と。

こうして、
私の公開カウンセリングが
本格的に始まった。

続きます

★Photo by #すけしゅー。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「暮らし」から「つながり」と「仕事」を作る実験室
暮らすLaboratory しかのいえ
公式サイト https://shikanoie.com

タイトルとURLをコピーしました