アラフィフ男の公開キャリアカウンセリング01

本気の進路相談室

2019年7月28日「大人のための本気の進路相談室」

以前「しかのいえ」で開催した、
読書に関するイベントがきっかけになり、
キャリアカウンセラーの
飛鳥井郁枝(あすかい・いくえ)さんとの
ご縁をいただいた。

飛鳥井さんは、
普段は学生さんたちを相手に
キャリア教育やカウンセリングを
行っている方だが、
最近では、
40代50代以上の、
社会の中で既に長いキャリアを
積んでいるクライエントとの
お仕事も増えてきているそうだ。

昨今「人生100年」という言葉を
よく耳にするようになった。

その一方で、
戦後の高度経済成長と
人々の暮らしを支えた
企業の終身雇用制は、
大局では崩れ去っている。

中年以降に続く長いながい人生は、
これまで通用してきた
知見やモノサシだけでは
とても設計し切れなくなった。

私たちの多くは
そういう時代を生きている。

飛鳥井さんのお仕事の変化の背景には
こうした事情もあるのだろう。

私が彼女と出会ったのは、
50歳をふたつばかり越え、
30年以上勤めた会社を離れて、
自前のコミュニティスペース
「しかのいえ」で
新たな働き方と生き方を
模索していこうと決意した矢先のこと。

初めてお会いしたその時に、
人を明るく前向きにさせずにはおかない
飛鳥井さんのパワーと人柄に
すっかり魅了され、
ぜひ一度この方に
相談に乗って欲しいと思ったのと、

(せっかくの機会だから、
ご相談のやりとりを
「しかのいえ」のイベントにしたい……)

と思ったのは同時だった。

こうして、
アラフィフ男の「埋蔵キャリア」の発掘と
今後の生き方を模索する、
公開カウンセリングイベント
「大人のための本気の進路相談室」は実現した。

初対面のおっさんからの
鼻息荒い無茶ぶりに対する
飛鳥井さんの寛容なご好意あってのことだ。

初の実験台「埋蔵キャリア発掘現場その1」として、
先に結論めいたことを言わせていただくなら、
通常はカウンセラーの方と一対一で行うことを
お客様たちの前で「公開」した意義は
間違いなくあった。

まずはイベントの概要から
順を追って説明してみよう。

公開キャリアカウンセリングの流れとルーツ

イベントの開催に先立つこと約一ヶ月。

6月の下旬に、
私は飛鳥井さんから、
ある「宿題」をもらった。

これまでの人生を振り返るための、
ライフチャートを
作って欲しいと言うのだ。

私の年齢は52歳。

A4サイズの紙の上で、
これを0歳から13年刻みで
4つのエリアに分ける。

次いで、それぞれのエリアに、
その時々に打ちこんだことや、
印象に残ったことなどを
記入していくのだ。

たとえば20歳の方が対象なら、
人生を5年刻みで4つに分け
同様のことをするわけだが、
飛鳥井さんによれば、若い方は、
書き込みがまばらになることが多いらしい。

これが40代、50代と、
年齢が高くなるにつれて
経験の量も増えていくので、
書き込みの数は、
自ずと多くなっていくのだそうだ。

一週間ほどかけて完成させた
私のライフチャートは、
小さな文字で埋め尽くされた。

イベントの当日、
20名のお客様全員に
このチャートのコピーが配布され、
私の52年間の人生の要点は、
ガラス張りの状態で
共有されることになった。

私を見世物にするためではない。

私だけでなく、
お客様にとっても
イベントを意義あるものにするためだ。

公開カウンセリングは、
カウンセラーとクライエントの
一対一の問答を、
お客様に見聞きしていただくだけの
ものではなかった。

飛鳥井さんが、
カウンセリングの大きな流れを作る
いくつかの質問を私に投げかけ、
私は順次それに答えていく。

質問の内容については、
事前に一切明かされない。

そしてお客様は、
私たち2人の
ぶっつけ本番のやり取りを観察しつつ、
手元に配布された
私のライフチャートも参照しながら、
飛鳥井さんのファシリテートに従って
小さなグループに分かれて
意見交換をしたり発表したりするのだ。

彼女が数名のお客様に
質問を募る場面もあった、

飛鳥井さんによれば、
こうした公開カウンセリングのルーツは、
6年ほど前に関連図書の『嫌われる勇気』が
大ベストセラーにもなった、
心理学者のアドラーにある。

ある時アドラーが
クライエントと一対一で
カウンセリングを行っていたところ、
そのやり取りの声が待合室に漏れていた。

これは通常のカウンセリングの
守秘義務に関するルールからすれば
あってはならないこと。

ところが、
部屋の外でこのやり取りを耳にしていた
別のクライエントは、
赤の他人の話しを、
自分の問題解決のために
大いに役立てることができたと言うのだ。

怪我の功名、
思わぬ価値ある副産物に気づいたアドラーは、
公開カウンセリングを始めたのだそうだ。

過日の「大人のための本気の進路相談室」でも、
私も含めた参加者全員に
キャリアデザイン上の
良い気づきがもたらされるよう、
飛鳥井さんは丁寧にイベントを
進行させていった。

私のライフチャートそのものを
ここで公開することはさすがにできないが、
次回はイベントの具体的な流れについて
説明してみよう。

続きます

★photo by #すけしゅー。

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「暮らし」から「つながり」と「仕事」を作る実験室
暮らすLaboratory しかのいえ
公式サイト https://shikanoie.com

コメント

  1. […] こちらのブログにまとめていますので、 […]

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