「声」に魅せられて
センジュ出版の吉満さんは、
著者の「声」で本を出す出さないを
決めているのだと言う。
7月24日のイベントでお聞きしたこの発言は、
端的で迷いのないものだった。
事実、教来石さんの本の時もそうだった。
大勢の人間を
巧みに酔わせるような
話をする著者でも、
その「声」が原稿の中に
響いていないことがある。
「声」と書かれたものとが、
どこかちぐはぐな場合が。
そんな時、
吉満さんは本を出したいとは
思わないのだそうだ。
著者の「声」には、
たとえばひとつの音楽のように
「言語化できない情報」が詰まっている。
その言葉にならない響きに魅了された時、
そして同じ響きが原稿の中にも
木霊している時、
吉満さんの本作りが始まる。
2015年2月23日、
公益社団法人
みんなの夢をかなえる会が主催する、
企業と学生と夢プレゼンテーターを
マッチングさせる大会
「みんなの夢AWARD5」で、(P141)
日本武道館を埋め尽くす
8,000人の聴衆を前にして
見事グランプリに輝いた
教来石さんのスピーチは、
決して威風堂々、
弁舌爽やかとは言い難いものだった。
しかし、
まるで足元を確かめながら
一歩一歩進んでいくような、
とつとつとしたその語りぶりに、
その「声」に、
客席の暗がりにいた吉満さんは
打たれてしまう。
打たれて、
初めて出会い初めて話を聞いた
彼女の本を出そうと
即座に決意をしてしまう。
こうして
『ゆめの はいたつにん』という本は
この世に生み出されることになるわけだが、
吉満さんの直観と決断は、
教来石さんが
グランプリを取るか取らないか、
結果がまだ出ていない時点でなされている。
そうさせる力が、
彼女の「声」にはあったということだ。
そしてその力は、
「みんなの夢AWARD5」の会場で、
吉満さんや他の多くの聴衆の心を
惹きつけただけではないだろう。
きっと教来石さん一世一代の
大プレゼンテーションに至る道程でも、
彼女の回りにいたたくさんの人々を
大きく揺り動かしてきたに違いない。
一体それはなぜなのか?
(続きます)
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